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沖縄娘たかこの日記


by takakozuno
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『愛と哀しみのボレロ-完全版-』

午前0時に帰宅!

仕事後、お昼ランチしたお友達に借りた 『愛と哀しみのボレロ-完全版!』263分を、みなで鑑賞したのだ!!

す、すげーーの一言だった、、、、

長い!と思った箇所もあったけど....
あの、ホント....
20人の人生を生き抜いた感じします。
それにしては235分、短いです。ハイ。

にしても...この監督のチャレンジ精神は...すごい。
『スネークアイズ』も色あせて見える大規模な長回しの「数々、、←本当に数えきれない!ぐらい見せ場があった!!」、螺旋階段のシーン、あと、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』もこの映画からパクったんではないか!と思うぐらいのミュージカルシーン。

なんていうのか、多分、名作10本分ぐらいの見せ場がこの一本に入っている。
それがいいのか悪いのかはまた別問題なんだけれども、 ガニオン監督の言葉を借りると、 悪い面も良い面も!!本当に勉強になる映画だった!!

と、とにかくスケールがデカイ...映画で...。
また落ち着いたら改めて冷静に感想かきます。

そして、ものすごくヘヴィな、反戦以上の、人間の愚かさも素晴らしさも可笑しさも暖かさも冷たさも全てがこもった、メッセージがつまっているこの映画なのですが、あるシーンで涙が止まりませんでした。

多分、そのシーンは、海上ヘリポートから戦闘機が飛び出す、というだけの、描写なんだけれども。それみて、涙がとまらんかった。

その前に少し話しをすると、今私が聞いてるNHKの英語とフランス語のpodcastニュースで、一日2回のpodcastで、沖縄が出て来る頻度が、悲しいかな、すごく多いんです。読売とかの、日本語のpodcastでは全然出てこない、「Kadena」とか「Camp~~」という土地名が、週に一度は必ず、出て来るんです。それが、何を意味するかというと、やっぱり米軍基地のことなんですよね。

「あ...自分の故郷から、戦争で犠牲になった自分の故郷から、出た飛行機が、今この瞬間も、また誰かを「何か」のために、殺しにいくのかな...」ってことを一瞬強く思って、涙が止まらなかったんです。基地があるってのは、そういうことだから。

この映画は人間という生き物が、どんなにも愚かになれるのかを、また、それと同時に、いえ、それ以上に、人間というものが、どれだけ素晴らしい芸術を造り出せるのかを謳っている。

「戦争を美化して伝えること」を、せずに!!!そうすることの、危険性を、映画の中で唱えている。そうすることが、どんなに危険なことなのかを、戦争を経験した大人は、自覚して欲しい。

私は、そういう理由から、「美しい国に!」と連呼する反面でゆとり教育が見直されたり、生徒への体罰規制が緩められたり、防衛庁が昇格したり、国家への忠誠心が強化されるような教育が施され、都知事脚本製作の、どうみても戦時中のプロパガンダみたいな映画が作られている今の日本が悲しいし、怖い。そして、その監督が、沖縄の名を背負う人だった、てのも..悲しい。

戦争は、戦闘機は、戦争で死ぬことは、クールなことでも、なんでもない。

私は、戦争を経験してないけれども、苦しい時代も何も、経験してないけれども、私は、絶対に、戦闘機に乗って突っ込んでいた青年たちを笑顔で美しく描くようなポスターの映画を、許したくない。「あの時代に生きる青年達の姿は、その後の世代に生きる若者たちのそれよりも美しかったー」なんて、宣伝文句を、信じない。

国家のために死ぬことは、悲劇にすぎず、美しいものでもなんでもない。

命を賭けて、また別の命を賭けて戦う者を殺すことは、人間同士のもっとも愚かな行為であって、美しいものでも、何でも無い。

私達は多分、戦争に備えるのではなく、どんなことをしてでも、戦争が起きない様に、少しでも減らすために、また、二度と悲劇を繰り返さないために、努力するべきだ。そして、あるある大辞典のように、「上手い仕組みに」だまされないよう、するどい目をむけて、賢くなって、注意するべきだ。それがやってくる「足音」に、注意すべきだ。

そして、人間が、造り出す、もっと偉大なもの。
そして、無条件に心を一つにするもの。
それは、芸術。

その使い方を間違ってはいけない。
この映画は、そういう、色んなことが、、、つまっていた。
by takakozuno | 2007-01-26 12:56 | 映写室/Movies